2020年に日本語教育能力検定試験に合格し、2021年3月に公務員を辞め、4月から日本語学校で常勤・専任講師として働きました。
養成講座には通わず、資格試験のみで日本語学校に採用されました。いわゆる未経験採用というやつです。
自分の投稿見直したら、前回の記事からだいぶ時間(ほぼ1年)が経ってしまいました。しかも模擬授業には全く触れていませんでした。すいません。。。ですが、月日が経過したおかげで、模擬授業についてはもう1校実績を積んでいるので、そちらも書かせていただきます。
採用の流れとしては、履歴書送付→書類選考→模擬授業&面接→採用です。たぶんこれが一般的なのではないでしょうか。
模擬授業1校目
日本語教師として初心者マーク全開の僕でしたが、未経験応募可の日本語学校があったので、勇気を振り絞って応募したところ、書類選考をパスしました。
書類選考の合格通知とともに、模擬授業に関する案内も送られてきます。
それがこちらです。
授業科目:『みんなの日本語初級Ⅰ22課』の文型1、2の導入及び練習
授業時間:20分程度
参加人数:教務の方や学生が参加する場合もあり、5名前後を予定
PCでの授業をしていないためプロジェクターの使用は不可で、ホワイトボード、マグネット、他の教材等はご自由にお使いくださいとのことでした。
とりあえずアマゾンで購入していた「みん日」を眺め、ネットで授業の様子をあさりまくり、自分なりの初めての「教案」みたいなもの作りました。
模擬授業まで4日しかありませんでした。
(いやぁ、わからね〜。こんなんでいいのか〜。恥ずかしい〜)
このような頭で2日間を過ごしていました。
正解がわからない。的外れなことして恥ずかしい思いをしたくない。
そこで、なんとなく思い出したのです。
10年ぶりくらいにコンタクト取り始めた大学の先輩が日本語教師になっていたことを。
すぐさま相談してみました。先輩は「良ければ見てあげるよ」と言ってくれました。
オンラインでしたが、初めての授業を先輩相手に行いました。
めちゃくちゃ照れましたが、模擬の模擬授業を見せた結果、
先輩からの一言目は、
「それ怒られるよ」
でした。。。。。。撃沈。
ナメてんの?くらいな感じでぶった斬られました。
それでも冷静に一つ一つアドバイスをくれて、授業のやり方というか型というか、そういうのがあるんだなとわかりました(笑)
それに「みんなの日本語教え方の手引き」っていうのがあるのがわかりました。な、なるほど!
相談して良かったぁーーーーーー
このまま本番行ってたら大やけどするところでした。(マジで)
それから直したらもう一回先輩が見てくれるということで、夜遅く活動するの本当に好きじゃないんですけど、深夜まで教案を直し準備物を作り、次の模擬の模擬授業に備えました。
2回目の先輩のフィードバックは「前と全然違う(笑)」から始まり、良かった点や改善点など教えてくれました。
本番を翌日に控え、夜な夜な教案の見直しや一人リハーサルをしました。
そして、本番。
職員の方3名が学生役で参加されていました。超緊張ですよ。味わったことのない空気。
ホワイトボードに書くことも、マグネットの扱いも震えるほど慣れていなかったですが、先輩と築き上げた教案、凛とした眼差し、弾語りライブで培ってきた声、寄り添う心、己が持つ全てを捧げました。
しかし模擬授業ですから、学生役に徹している職員の方は、いろんなことをしてきてくれます。声が聞こえないほど小さく発言したり、明らかに興味がないフリや、いやらしい質問などです。ダメなことはちゃんと指摘しましょう。
想定される質問は、答えられるようにしておくのがベストです。ぼくの授業での質問はたまたま頭に入っていたことだったので、うまく答えられたかと思います。時間は多少オーバーしましたが、とにかくできることを一生懸命やりました。
動画撮影された模擬授業は、当日欠席していた主任にも評価され合格しました。
あまり細かいことはここでは割愛しますが、未経験者が模擬授業に臨む上で大切なことは
です。
日本語教師のお知り合いを捕まえて見てもらいましょう。お門違いなことを本番でやって機会を逃すより、授業とはなんぞやを早めに知ったほうがいいです。
「みんなの日本語 初級Ⅰ」日本語教師はじめの一冊でありマストバイです。僕はオンラインレッスンの文法を教えるのに使用しています。
「教え方の手引き」は課ごとの導入例や進め方、注意点が詳しく書かれています。基礎的な流れはここから学ぶことができます。未経験者は、これがないと迷子のままです。
模擬授業2校目
苦労して採用された1校目でしたが、ちょっといろいろブラ○クで5ヶ月で辞めました。早めに辞めて大正解だと思っています。めちゃくちゃ遠かったし。どうして辞めたかは、下記を読んでください。

オンラインの経験を積みたかったのでitalkiを2ヶ月くらいで軌道に乗せ、そこから非常勤講師として2校目の学校に応募しました。
模擬授業の指定内容は、以下のような感じでした。
授業科目:『みんなの日本語初級Ⅰ23課』の文型4の導入及び練習、会話
授業時間:90分の教案作成、うち指定箇所について20程度の授業
参加人数:学生15名のクラスを想定(職員2名が参加)
プロジェクター、ホワイトボード、マグネット、他の教材等使用可
90分授業というのが肝でしたけど、もはやぼくは日本語教師経験者になっていたので、復習から入って、導入、活用練習、ワークシート、会話など流れも掴めていたし、教案も徹夜するほど時間はかかりませんでした。
それでも完璧な授業などなく、授業後のベテランの先生方からのFBでは、15名の学生に対して例文が少なかったとか、未習語彙が少しあったとか、多少の指摘はありました。
1校目の模擬授業とは比べ物にならないほど落ち着いていたし、的外れなことは一つもしていなかったはずです。
そんなわけで、2校目も無事一発で採用されました。
現在もこちらで働かせていただいておりますが、教師に負担させないよう授業の流れがすでに組み立てられていたり、研修やサポートもしっかりしているなど、とてもいい学校だと思っています。(1校目とぜんぜん違う!)
1年で模擬授業を2校経験し、どちらも結果を出すことができました。
それもこれも日本語教師の先輩に模擬の模擬授業を見てもらえたことが始まりでした。
近くに同業の先輩がいたことが本当にラッキーでした。
繰り返しになりますが、未経験の方は誰かに教案や模擬授業を見てもらう必要があると思います。養成講座は高いですが、日本語教師のために開かれたコミュニティも探せばあると思います。きっと相談に乗ってくれる先輩方がいるでしょう。
実際の授業はうまくいく?
採用されてしまえば、その後は同じ学校の先生の授業を見せてもらえたりします。参考になることが多いので、たくさん技を盗みましょう。そこから自分の授業を組み立てていけば良いのです。また、ほとんどの学校にはカリキュラムがあるし、授業の流れがすでに確立されているところもあります。
模擬授業さえくぐり抜けてしまえば、授業に関しては慣れるだけでいいのです。

養成講座に通う
これまで模擬授業がどのようなものか書いてきました。ぼくはラッキーなことに、持ち前の度胸と運で未経験で採用された経緯があります。2020年4月に1校目が受かり、今は2校目で非常勤教師ですが、約1年間の経験を積んだおかげで、今では割と気楽に授業をやらせてもらっているのです。(今でも授業見学されることは、人生で3番目くらいに嫌ですが)
しかしながら、未経験で模擬授業を認められうまくいくこともあれば、即戦力を求められる学校では厳しいのが現実でしょう。慣れないことを手探りで行っていくのはストレスも伴うものです。
ですから、いきなり日本語学校で模擬授業を行うことに抵抗があると思う方は、多少お金をかけてでも、思い切って養成講座に通って授業の基礎的なことから学んでいくことをお勧めします。
時間をかけて知識や経験を積んでいけば、本番や模擬授業でも自信を持って立ち回りできるのではないでしょうか。