国家公務員や地方公務員は一般の会社と違って雇用保険対象外ですので、退職したあと失業保険は受け取れません。その代わりとして、退職手当が受給できるような仕組みです。
そのため、しばらく職に就く予定がない方は、退職金をある程度算出しておいたほうが、のちのち活動しやすいと思います。退職金は重要です。
退職金はいつもらえる?
退職金は、4月末に振り込まれました。実際にもらえた額も教えますので最後までお付き合いください。
退職金の種類
退職手当には「一般の退職手当」と「特別の退職手当」があります。「一般の退職手当」とは、自己都合、死亡、任期満了、定年及び勧奨等の退職自由により退職した場合に支給するものです。みなさんがおおよそ当てはまるものでしょう。
ここでは、市役所など地方公務員の方が転職を考えるときの参考にしてもらいたいので、「自己都合」の理由で辞める場合についてのみ書いていきます。
退職金の算出方法(自己都合の場合)
退職金の額は法律によって計算式が決まっており、それにより支給額を算出します。
支給額=「基本額」+「調整額」
まず「基本額」です。
基本額は、「退職時の給料月額」に「支給率」を掛けて算出します。
この「率」は、法律で定められており、勤続年数によって異なります。
勤続年数 | 率(自己都合) | 10 | 5.022 |
1 | 0.5022 | 11 | 7.43256 |
2 | 1.0044 | 12 | 8.16912 |
3 | 1.5066 | 13 | 8.90568 |
4 | 2.0088 | 14 | 9.64224 |
5 | 2.511 | 15 | 10.3788 |
6 | 3.0132 | 16 | 12.88143 |
7 | 3.5154 | 17 | 14.08671 |
8 | 4.0176 | 18 | 15.29199 |
9 | 4.5198 | 19 | 16.49727 |
ぼくは休職なし、13年勤務なので「8.90568」が率になります。
※休職期間があると、減額されますのでご注意ください。
次に調整額です。
調整額は、「職員の区分」に応じ定める調整月額の多いものから60月分の合計額
によって算出されます。級によって、区分というものが割り振られるのです。
区分 | 級 |
区分3(54,150円) | 7級 |
区分4(43,350円) | 6級 |
区分5(32,500円) | 5級 |
区分6(27,100円) | 4級 |
区分7(21,700円) | 3級 |
区分8(0円) | 2級、1級 |
直近の60月分(5年)でどの級に多く属していたかということです。3年間3級、2年間4級であれば、3級の区分7(21,700円)で計算することになります。
※この区分は行政職の区分です。
・自己都合退職の場合、勤続9年以下は調整額を支給されません。
・勤続10年以上24年以下の者は調整額が半額になります。
実際に13年勤めた退職金の額は?
■地方公務員、市役所勤務13年(休職なし)自己都合で辞めた場合
①基本額の計算
退職日の給料月額です。ぼくは「278,800円」でした。
278,800 × 8.90568 = 2,482,903円
率は表から読み取ってください。
②調整額の計算
60月、つまり過去5年間の級によって区分されます。
5年間3級だったので区分7「21,700円」×60月=1,302,000円
さらに、自己都合退職はこの調整額が半額になりますので、
1,302,000 × 50/100 =651,000円
③合計
基本額「2,482,903」+調整額「651,000円」=3,133,903円
「3,133,903円」が退職金でした。
以下のサイトがドンピシャで算出してくれますので、計算が難しい人は使ってみるといいと思います。
まとめ
実はぼくは辞める決心をする前に、退職金について少し調べていました。公務員の退職は自己都合退職が不利なこと、10年以上勤務しないと損することを知っていました。休職がマイナスな点も。そのため10年は働こうと決めていたのです。
退職手当は税金がかからないので、そのまま懐に納めることができます。フリーランスとして働くうえで、今この退職金が大変有難いです。
公務員を今から辞めようと考えている方は、退職金の額も頭に入れ計画的に退職することをオススメします。
